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大久保通り(都道放射25号線)拡幅問題 [都市計画]

神楽坂の中央部を通る大久保通り(都道放射25号線)拡幅について、1/7のTBSテレビ「噂の東京チャンネル」で放送されました。私は神楽坂で都市計画・デザイン事務所を運営しており、まちづくりに係わっているNPO粋なまちづくり倶楽部の副理事長であることから、地元関係者の一人として取材を受けました。数分お話し、実際にテレビに映ったのは10秒程度でしたが、それはともかくとして。

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大久保通り拡幅の現地で取材の様子。

都の計画では、現在は片側1車線・幅員18mのところ、片側2車線・幅員30mになります。この計画ができたのは戦後の昭和21年、東京が焼け野原となりその復興の姿として描かれたものです。その後、社会情勢は大きく変わりました。大久保通りの地下には地下鉄大江戸線が開業し、その自動車通行量はピーク時に比べて30%以上減少(センサスデータによる)しています。都内では自動車保有台数も減ってきています。

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建物が除却された、神楽坂交差点付近

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計画を表現した模型

 番組では、東京オリンピックを理由として眠っていた道路整備が進められることについての疑問、商店街の分断への懸念、立ち退かざるを得なかった人々がお気の毒であること、大久保通りの交通量が減っていることなどが報じられました。

 一方、道路整備にはこれから非常に長期間を要し(現在の用地取得率は10%)、その間は道路予定地は金網囲いの空き地とされること(区の協力があれば有効活用の可能性あり)、道路整備と沿道地区まちづくりがまったくリンクしていないことなどは報じられませんでした。

 放送では、大久保通り整備の理由として、都の回答として「都心部の道路(目白通り、外堀通りなど)通行の円滑化」が挙げられていましたが、都心主要道路の通行量も近年は横ばいか漸減傾向にあります(下図)。
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 放射25号線で、後楽園方面から神楽坂近くに至る整備、開通済み部分は、人も車もまばらな状況です。少数の通過交通に快適なだけで、地域を分断しています。これが21世紀の東京のあるべき姿とは、とても思えません。
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 自動車通行のための道路整備は既に大義を失っているのに、都市計画決定済みだから、事業認可されたからという理由で、時代が変化しているのに省みることなく進められています。しかも都市計画決定されているのはルートと全体幅員のみで、その内訳、すなわち道路空間の使い方~歩道や車道の配分など~は事業計画変更で可能なのです。将来の人々に恥ずかしくない公共資産として、道路空間の整備や使い方を見直すべきです。


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東京駅丸の内駅前広場 [アーバンデザイン]

東京駅丸の内側にできた、新しい駅前広場を見てきた。整然としていて歴史も感じられ、他にない空間であるが、それだけにちょっとがっかり。もったいない。何が、がっかりか。

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1. アクティビティが単調。ほとんどの人は写真を撮って、後は通り過ぎるだけ。滞在型のアクティビティはほぼゼロ。アクティビティを生み出す施設や空間構成になっていない。

2. 動線とビスタの計画が良くない。JR駅からの出口は北、南の2箇所あるが、いずれも出たところは広場の端で、地下鉄入口などが正面にあり、重たい庇が被さって閉鎖的。

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(丸の内南口を出ると、このようになっており、広場が感じられない)

本来なら「丸の内中央口」をもっと重視して、そこから出ると皇居方面にさっと視界が広がるようにすることもできた。東京の来訪者に対して、素晴らしいおもてなしになったのではないだろうか。もともとの東京駅を歴史的建造物として保存し、外から見せることを重視したから現在のようになったのだろうが、21世紀に駅舎と広場を大改修したのだから、もっと未来志向的な計画でもよかったのではないか。

3. 丸ビル、新丸ビルという商業施設と駅広の間に道路があり、行幸通りの歩行者空間と分断されている。その道路、本当に必要だろうか?必要としても、仕上げは歩行者向けとし、車は通行時間制限を設けることがよかったのではないか?そうすれば、広場と行幸通りがつながり、皇居に向けたシンボル的な軸線になるとともに、広場は商業施設に面するものとなった。少なくとも週末祝日はカーフリーにできないだろうか。

日本を代表する広場になれたのに、広さも機能もやや中途半端な空間になっており、もったいないと感じた。しかしこれからでも改善はできる。まずは広場に座って滞在することを楽しめる、ある程度格調あるカフェなど商業機能を入れて広場の縁をつくること、そして座る環境を快適にする中高木を配置することが考えられる。

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安藤忠雄展「挑戦」

先週12/3(日)に、新国立美術館の安藤忠雄展「挑戦」に行ってきた。
まず、ものすごい人出に驚いた。展示会にこれだけ多くの集客がある建築家は、他にはまずにいないだろう。手書きのスケッチ、暖かさのあるすばらしいものだった。これも手書き、鉛筆で精密に仕上げられた図面もすばらしい。

安藤の考え方、生き方には明確な個性と一貫性があり、それが改めて良く分かった。彼自身に対する挑戦であり、社会に対しての挑戦でもある。

光の教会の実物大が体験できる。傑出した作品には違いないと思うが、あえて言えば、キリスト教会はイエスの受容や慈しみを感じられるべき場所である。この極めてストイックでオブジェ的空間がそれにふさわしいのだろうか。雑念を排除した空間で精神が昇華するといえば、そうなのかもしれない。

また、屋外空間に対してはほぼ閉じており、地域の景観形成にはまったく寄与していない。教会は祈りの場であるが、もっと地域に開く、地域を受け入れるという考え方もあると思う。非常に内面志向の建築である。

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マレーシア ペナンの洪水

2017年11月4日、私たちはマレーシアの首都クアラルンプールからペナン島に向かった。昼ごろに到着したが、そのころから雨が激しくなり、断続的な豪雨となった。それでもその日はなんとかペナンヒルに行くこともできたが、夜になっても雨は止まなかった。ヒルへのケーブルカーは私たちが下山した後、土砂崩れのため3日間運行停止になったという。風雨は深夜になってさらに激しく、台風直撃の様相となった。翌朝、雨は収まったが、私たちが宿泊していたジョージタウンのThe Wembley Hotel 周辺はほぼ全面的に浸水し、深いところでは道路で膝上くらいまで水に浸かった状況となった。しかしそれでも比較的軽微な被害で、各地で土砂崩れ、道路陥没などがあり、避難者が2,000名近くに達し、死者もあったとのこと。ペナンでも滅多にないほどの被害となった。
 当初の予定変更を余儀なくされ、とりあえずホテル周辺で歩いて行けるところを見て回ろうということになった。看板などが落ち、床レベルが道路と店舗では室内まで浸水しているところも見られた。雨水排水の容量が少ないため、排水口から逆流しているところもあった。
 天気予報に反して幸いにも雨が止んだため、数時間後には水は引き、見たところは平常に近い状態となった。

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ペナン・ジョージタウンのストリートアート [世界のまちかど]

2017年11月、マレーシア・ペナン島のジョージタウンを訪問した。ジョージタウンはイギリス統治時代に建造されたコロニアル風建築や様々な宗教建築があり、2008年に街が世界遺産に登録された。その後2012年に、リトアニア出身のアーティストであるアーネスト・ザカレビッチが歴史的建築物に壁画を描いたことがきっかけとなり、現在では50点以上のストリートアートが街を彩っている。取り組みは比較的新しいが、今ではアートが歴史的建築物や構造物とあいまって、すっかり街に定着し、新たな観光ポイントになっている。
 特徴は、単に見る壁画ではなく、人が係わり、人もアートの一部になる体験型アートが多いこと。参加することで大いに楽しみが増し、自分だけのパーソナルアートになっていること。本人だけではなく同行する人たちの笑顔も、たくさん街にあふれていた。

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埼玉県入間市ジョンソンタウン [世界のまちかど]

 10月11日、芝浦工大鈴木研究室メンバーで、埼玉県入間市のジョンソンタウンを訪問。磯野商会という地元の不動産会社が一括して経営している賃貸住宅・商業施設の地区である。当初は農地として所有し、朝鮮戦争時に近隣の米軍ジョンソン基地で住宅需要が高まったことから米軍用の住宅地として開発し、当時の米軍住宅が7,000坪の敷地に建設された。その後米兵は去り民間賃貸住宅地となったが、1990年代には老朽化、住民の高齢化が進み、全体の再開発という話もあった。しかしこの土地ならではの米軍住宅の希少性、文化性にこだわりもった先代社長が環境の保全・再生を決定。建築家や都市計画家とチームを組み、この地に愛着を持つ人たちが住み、働く街になっている。現在の住民は約130世帯、200名、店舗は55店に達している。賃料は周辺相場よりもだいぶ高いが、入居待ちがある状況という。
 土地、建物はすべて磯野商会が所有し、賃貸としている。店舗に改装の際には、オーナーとテナント、建築家が協議し、デザインや費用負担などを決定しているという。このような、民間不動産会社が理念を持ち、地域の個性を活かしたまちづくりを行っている例は非常に珍しく、画期的である。街を歩くとよき時代のアメリカのおおらかな雰囲気が漂い、住民や商業者が楽しみ、誇りを持って住み、暮らしていることが感じられる。
 これに似た例として、バークレーのフォースストリートを思い出した。そこはかつては工場、倉庫などであった地域を、地元ディベロッパーが市から段階的に購入し、地元に事務所を置いて、徐々に商業地区として整備したものである。建築はかつての倉庫等をリノベーションし、ヒューマンスケールがあり、区域としては小さいが、歩いて楽しめるストリート空間となっている。ひとつのディベロッパーが地域に密着し、歴史や個性を活かして丁寧な再生をするという点が共通である。
 ジョンソンタウンは近年商業施設が増え、観光客が増えているが、それによってプライバシーの侵害などの問題も発生しているという。今後とも「住む」ことを基本とし、地域を愛する人たちが商業を営むまちであり続けることを願う。

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David Sim講演&シンポジウム

 10月9, 10の両日、芝浦工業大学でヤン・ゲール事務所のデイビッド・シム氏をお迎えし、パブリックライフ・パブリックスペースをテーマとした講演会とシンポジウムを開催しました。鈴木研究室は企画主体として、運営事務局を担当。9日は大宮キャンパスで「ゲール事務所の世界での仕事」についての講演、10日は豊洲キャンパスで、国内で活躍している”プレイスメーカー“6名をパネリストにお迎えし、「日本のパブリックライフを豊かにするにはどうしたらよいか?」についてデイビッドの講演とパネルディスカッションを行いました。
その詳細な記録は他の場でされるとして、私の意見、感想を記します。
 まず、このテーマに関するデイビッドの情熱に感嘆しました。彼は世界のさまざまな都市で、調査や計画の実務、教育・啓発活動を長年行っているエキスパートですが、その精力的な活動を支えている情熱、使命感はすばらしいものです。今回も忙しい日程の合間を縫って来日し、非常に熱心に講演活動などをしてくれました。日本の関係者に彼のファンが多いのも当然のことと思います。改めて感謝します。
 日本では近年、パブリックライフやスペースの充実化を求める動きが各地で出ており、大変良いことです。今後それを定着させ、発展させるためにはどうすればよいか?
ざっと挙げただけでも次のような課題があります。
 法制度の問題。パブリックライフを豊かにするために、有効な法制度はどのようなものか?弊害のある制度のブレイクスルーは、どのようにすればできるか?
 旧来からの行政縦割り、権益確保意識がいまだに非常に強いなかで、どのようにして分野横断的取り組みができるか。
 企業を巻き込む方法は?資金面、社会への影響力、市民参加などの観点から、企業の協力が重要。
 一方、企業の目先の利益優先の姿勢に対する対策、たとえば売り逃げデベロッパーに対する効果的な対策はどうしたらよいか。
 樹木、緑がある街路に面した建物のほうが不動産価値が高いということを論証することができるか。近年話題になっているESG(環境、社会、ガバナンス)を重視した投資をどうやって誘発するか?
 交通工学などに基づいた標準的土木設計に対し、人間行動の原則にもとづいた空間設計をどうやって行い、実施するか。
 一過性のイベントや社会実験だけに終わらせないためにどうしたらよいか。市民や企業の参加意欲を促し継続するしくみは?
 日本での自転車の安全・快適走行の普及や、駐輪整理の方法はどうすればよいか。

どれも容易に結論が出せる問題ではありませんが、ひとつひとつに丁寧に取組んでいくことが大切と思います。その際に留意したいことを挙げてみます。
 心理学、福祉、健康、経済など幅広い専門家と組む。
 市民の声を広く聞く 市役所、警察など関係者との対話は必須。
 効果を数字で示す、見える化する。相手にとって関心があり、わかりやすい方法で。
 政治的な活動も必要。
 空間や行動を厳密に管理しすぎない。
 まずはやってみせる。
 地元の地形、文化、気候、歴史、産業などの個性を尊重する。
 ねばりづよく、続ける。
 デザイナーや計画者が主役ではない。使う人が主役。
 デザインを発する!シンプルな概念図、平・断面図、パースなどで。

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研究室にDavidをお迎えしました


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UDCOアーバンデザイントーク

9月19日の夜、アーバンデザインセンター大宮(UDCO)主催のアーバンデザイントークが行われ、芝浦工業大学鈴木研究室から2名の学生が参加しました。会場は、さいたま市大宮区役所前の道路拡幅予定地で、屋外空間の暫定利用イベントとして、トークスペースやカフェが設けられたものです。
 トークのテーマは、大宮在住あるいはゆかりのある若者が、大宮の魅力や課題について自由に語るというもので、普段はなかなか聞けない若者の本音が聞けてよかったという意見がありました。当研究室の学生たちもそれぞれ自分たちの思いを熱心に語っており、また吉祥寺から来たという早稲田の女子学生は吉祥寺にない大宮の魅力について語り、新鮮でした。
 大宮は埼玉県では最大の繁華街で、県内の商業中心地ですが、一方首都圏としてとらえた場合、横浜などと比べると個性、イメージが弱く、また氷川神社などの地域資源が活かされていない印象があります。地域のよさを積極的に評価し情報発信していくことが必要です。
 また、このUDCOのように、まちづくりや都市デザインについて語り行動できるオープンな場を継続することがとても大切です。これからも何らかのかたちで大宮のまちづくりにも係わる機会があればと思います。
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軍艦島

芝浦工大鈴木研究室合宿で長崎の端島、いわゆる軍艦島を見学した。江戸時代の1810年ごろに石炭が発見され、1890年に三菱の経営となった。もともとは2haほどの草木もない島だったが採炭技術の発達とともに埋め立て、拡張され6.3haとなった。1960年ごろの最盛期には5,300人が居住し、地下1,000m以上まで坑道が延びていたという。閉山後44年を経て風化、劣化が進み、現在残っているのは往時の約半分である。残っている多くの建物もいつ倒壊してもおかしくない状況で、その保存はきわめて難しいとのこと。海上の孤島にこのような超過密工業都市があったという事実と、その迫力に圧倒された。

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島の周囲には、台風などに備えてぐるりと高い岸壁が築かれている。

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写真のアパートは築101年、日本で最初の高層RCアパート。

島には商店、映画館、病院などがあり、自立した都市であった。また、緑が全くなかったため、アパートの屋上には日本発の屋上菜園が作られていた。

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左側の建物は、1958年に建築された学校。1-4階は小学校、5, 7階が中学校、6階には講堂や図書館などがあり、給食を運ぶために島で唯一のエレベータもあった。

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伊香保温泉都市計画 [都市計画]

群馬県の伊香保温泉、365段(実際はさらにある)の石段街の中ほどに「我国温泉都市計画第一号」という石碑が設けられている。これは、現在の都市計画法に基づく都市計画という意味ではないが、温泉を活かしたまちづくりという意味では大変興味深く、画期的といえる。このような、地域資源を活かし振興につながる計画こそ本来の都市計画と言うべきだろう。

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以下、「渋川伊香保温泉観光協会ホームページ」より要約。

「天正4年(1576年)、郷土であった7氏が湯元から現在地に集落を移し、伊香保の石段街を作った。湯元から温泉を引き、石段を作り、中央に湯桶を伏せ左右に調整、区画された屋敷に湯を分けるという日本初の温泉リゾート都市計画であった。
 昭和30年代、大型バスの団体旅行客の来訪が増え、その対応のため、境沢地区の町有地を民間に開放して新温泉街を建設造成する計画が立てられた。この土地は希望者に分譲する形を取ったので、異業種からの旅館参入が増加した。こうした取り組みは温泉地としては最初であり、旅館経営を希望する人が多くなったため、昭和39年には抽選で旅館経営の許可が出されることとなり、これは「大伊香保計画」と呼ばれた。」

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